「電子申告」とは?
「電子申告」という言葉、会計事務所ではよく使われる言葉です。
しかし、ずっと紙の申告書を提出なさっていたお客様にとって、
「『電子』で申告します!」、と言われることは、少しイメージしづらい表現なのかもしれません。
まず、電子申告とは何なのでしょうか。
電子申告(e-Tax)とは、
「国税に関する各種の手続について、インターネット等を利用して電子的に手続が行えるシステム」
です。
(国税庁HP「e-Taxとはどのようなものですか。」より)
電子申告が可能になるまでは、申告書等は紙で印刷したものに押印し、税務署へ持参又は郵送することで提出していました。
それらの方法に加えて、電子データの形式でインターネットを通じて提出することが可能となりました。
つまりネットで申告書等が提出できるようになったということです。
電子申告はe-Tax(イータックス)とも言ったりするのですが、今回は「電子申告」という言葉を使っていきます。
電子申告することのメリット・デメリット
先程お伝えしたように、電子申告することにより、ネットを通じて申告書等を提出することができるようになりました。
電子申告することによるメリットは以下のようなものです。
- 提出の際に、窓口へ並んだり、郵送する必要がなくなる
- 添付書類が省略になるものがある
- 申告書の控えをデータで確認することができる
- 還付の状況などをネットで確認することができる
逆に、電子申告することによるデメリット(負担)もあります。
- カードリーダーや電子証明書を揃える必要がある
- 電子申告の利用開始の手続が必要になる
- 紙の申告書に税務署の収受印を押してもらえない
- 送信エラーなど、逆に時間がかかってしまうこともある
※平成30年7月現在、準確定申告や相続税申告については、電子申告することはできませんので、ご注意ください。
電子申告をした際の注意点
電子申告をした場合には紙で提出したときとは別に気をつけなければならないこともあります。
金融機関や役所などに、設立届出や確定申告書類などの電子申告した控えを提出する際に、「メール詳細」という、税務署の収受印の代わりとなる書類が必要です。
税理士の方に電子申告を依頼されている場合、申告書類の控えをもらうと、「メール詳細」という紙が1枚同封されていると思います。ご自身で申告なさっている方は、e-taxのホームページの「メッセージボックス」から確認して印刷することができます。
たかが1枚なのですが、税務署の収受印の代わりとなる大事な書類なので、金融機関や役所などへ申告書類の控えを提出する際には忘れずに添付しましょう。
まとめ
電子申告することで、窓口で並ぶことなく申告書類が提出できます。
また、郵送する場合も、切手を貼ったり、封筒を準備したり、宛名を書いたりといった作業がなくなるため、その分の時間を他のことに使うことができます。
会計事務所へ依頼する場合には、カードリーダーなどの備品の準備や、利用開始の手続については、代理で行なってもらえるので、その点は心配ないでしょう。
「申告書には必ず税務署の収受印が欲しい」、「申告書は紙で残したい」など電子申告をあえて利用したくないという場合は別ですが、ネットを通じて申告するということに抵抗がないのであれば、ぜひ電子申告されることをオススメします。